バンクーバーの朝日 Vancouver's Asahi
【タイトル】
【場所】ブルク13
【所感】
かつてバンクーバーに住んでいたころ、日本人の移民が戦前にいたということを恥ずかしながら現地で知った。調べてから越したはずの街についてあまりにも無知だと思い、図書館で様々な日本人移民に関する本を読んだり、映像を観たりした。また日系カナダ人との交流やボランティアにもできるだけ参加できる様に努めた。
当時、遠く離れた日本から「3年がんばれば日本で一生困らない」という希望を胸いっぱいに膨らませて船でやって来たという彼らのほとんどは、現地での苛酷な肉体労働や差別に苦しみ、貧困の中で次世代を育てている。今や3世が還暦を越えている世代だが、彼らの多くもアイデンティティやルーツに誤解や差別を感じることがゼロではないという現実。多様性そのものでもある移民の国となったカナダで、精一杯日本人の誇りを生きた先人たちのドラマを観ないわけにはいかない。
と思って乗り気じゃない夫と共に劇場へ行ったものの、冒頭からやな予感...。
まずストーリー展開に起承転結が無い。
主人公ほかキャラクター達の個性も薄い。
町ごと作ったというセットも今イチ訴えるものに欠けるし、
俳優陣は無駄なまでに豪華だというのに全く活かされていない。
せっかくの実在した先人たちの話だと思って期待しすぎた私がいけないのかもしれないけど、これじゃTVドラマとしてやった方が正解だったと思う。
ざんねん。